住友化学は住友ファーマ抜きでヘルスケア分野の青写真を描くのかーー。
3月4日、住友化学は25年度を起点とする3ヵ年の新中期経営計画「Leap Beyond」を発表した。サウジアラビアのサウジアラムコとの石油化学事業の合弁会社「ペトロ・ラービグ」と住友ファーマという“双子の赤字”によって23年度で純損失3120億円と「創業以来の危機」(岩田圭一社長)に陥っていた住友化学だが、矢継ぎ早の事業売却やコストカットで24年度はV字回復を見込む。新中計では残る構造改革とともに、事業ポートフォリオ高度化と投下資本利益率(ROIC)経営の徹底で再成長をめざす。
数値目標は最終年度27年度でのコア営業利益2000億円など。農薬をはじめとする「アグロ&ライフソリューション」、電子材料などの「ICT&モビリティソリューション」の2部門が牽引役だ。その上で再生・細胞医療と開発・製造受託(CDMO)が両輪の「アドバンストメディカルソリューション部門」(先端医療部門)を「将来の3本目の柱」として育て、27年度コア営業利益100億円を掲げる。低迷中の石化事業など「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門」も環境負荷の少ない製品群に構造転換する。